瀬戸内にあるロートレック美術館

19世紀末パリの「光と影」が生み出すロートレックの世界

出自は貴族の家柄です。幼年時代の落馬で下半身の成長が止まり、父親との激しい確執などを経て
人々や社会の「正しいもの=奥深い事実」をみる目線が魂に宿り、彼の作品を成立させていきます。

文字の背景色、強めの茶色

ロートレックは「正しいものをみる」 メンドロンのロートレック評です。ロートレック作品の本質はこの言葉に尽きます。 社会や制度の中で生み出される規範・礼儀・礼節などの上っ 面を鋭く切り裂き、描かれる人々の本物を切り抜く彼の魂と的確に表現する技法が、19世紀末パリの光と影を明瞭な輪郭で表現していきます。 商業ベースのポスターでさえ彼の手にかかると芸術に昇華されます。

ロートレック美術館の外観、入り口付近

瀬戸内にあるロートレック美術館

瀬戸内にあるロートレック美術館は
古風な日本建築の石川家住宅の敷地内にある昭和モダンなカネモ本店旧商館になり
ます。 昭和初期建築の商館の面影を残す建物です。

かつての商談室、事務室、休憩室などが展示室となっています。
往年の商館の喧噪を感じながらご覧になるとロートレック の作品もひときわ輪郭が
鋭くなりそうです。

展示作品ー1
展示作品ー2
展示作品ー3

ロートレック美術館の外観、入り口付近

Ⅰ.ロートレック美術館に入る

エントランスホール

商館の入り口を入ると、エントランスホールはかつては商談室です。テーブルと椅子が置かれています。休憩やロートレッ ク鑑賞後の歓談にご利用いただけます。

Ⅱ.展示室

展示室風景ー1

エントランスホールからつづく廊下の先にロートレック展示室があります。三つの部屋に分かれて38作品が展示されてい ます。

展示室風景ー2

作品数はロートレック30点。藤田嗣治2点、ロートレックと関連する作家の作品6点と小ぶりの美術館です。
ただ、ロートレックや印象派の画家が愛でたジャポニズムを感じつつ鑑賞できる国内ならではのロートレック美術館となっています。
展示室から石川家住宅の日本庭園が借景として取り込まれています。季節ごとに織りなす木々や草花と陽光の乱舞がご覧いただけます。

展示室風景ー3

展示室から日本庭園をのぞくこともできます。
ロートレックや印象派の画家が愛でたジャポニズムを鑑賞するのも一考です。

Ⅲ.ロートレック以外の展示

展示室風景ー5

点数は少ないですが、藤田嗣治の作品があります。
ロートレックが描いた同じモデルを、同一の構図で他の画家が描いた実験的な作品などが6点展示されています。どの作品が該当する のかを発見するのが楽しくなりそうです。